「大阪が成長を続けるためのエンジンが必要だ。批判を恐れて立ち止まるわけにはいかない」。大阪府の吉村洋文知事は、一貫してIR推進の旗を振り続けてきた。インバウンド需要の爆発的な取り込みと都市格の向上を掲げ、強力な政治的リーダーシップで計画を推し進める姿勢は支持層を惹きつける。しかし、対峙する市民団体や野党勢力の反発は今なお根強い。
最大の争点となってきたのが、夢洲の地盤改良にかかる公費負担だ。産業廃棄物や浚渫土砂で埋め立てられた軟弱地盤であるため、土壌汚染対策や液状化防止対策、地盤沈下対策として大阪市が約790億円を負担することが決定された際、激しい議論が巻き起こった。将来的な追加インフラ費用が市民の税金に跳ね返るのではないかという不信感は、今も完全に払拭されたとは言い難い。