なぜ、これほどまでに香りが重視されるのか。背景には、現代社会における「嗅覚ウェルネス」の急速な定着がある。最新の神経科学研究によれば、嗅覚刺激は五感の中で唯一、喜怒哀楽や自律神経を司る大脳辺縁系へ直接アプローチする。これに着目した美容ブランド各社は、単に爽快感を与えるだけでなく、ストレスホルモンの低減を狙った精油ブレンドの開発にしのぎを削っている。
朝のバスタイムには覚醒を促すスパイス&クラリセージ、夜には深密な睡眠へと誘うスモーキーラベンダーやベチバー。時間帯や精神状態に合わせて香りを切り替える「クロノ・アロマテラピー」の思想が、多忙なビジネスパーソンの心を掴んで離さない。