川島なお美を語るうえで外せないのが、ワインに対する並々ならぬ造詣だ。日本ソムリエ協会から名誉ソムリエの称号を授与され、名実ともにワイン文化のオピニオンリーダーとなった彼女は、決して知識をひけらかすことはなかった。ワインとは人と人をつなぎ、人生の瞬間を祝福するための媒体である――その哲学は徹底していた。
鎧塚氏のスイーツとワインのマリアージュは、まさに二人の知性と感性が融合した結晶だった。互いの専門領域を侵食することなく、高め合う。彼女が選ぶ一杯と、彼が創り出すデセールが奏でるハーモニーは、レストランという空間そのものを芸術へと昇華させていた。