決戦直後、スタジオ裏の緊迫感は異様なレベルに達していた。審査員陣が下したシビアな点数と寸評に対し、ファイナリストたちは舞台袖で何を語ったのか。関係者の証言によれば、本番終了直後、審査員とコンビの間で交わされた視線には、一切の妥協を許さないプロ同士のプライドが火花を散らしていたという。
「あのツッコミのタイミング、0コンマ何秒かの迷いがあった」。あるファイナリストは、審査員から投げかけられた痛烈な指摘を受け止め、唇を噛み締めた。M-1グランプリの舞台が過酷なのは、わずかワンフレーズの違和感が勝敗を冷酷に分けるからだ。カメラが回っていないバックステージで繰り広げられた、審査員と敗者たちの激論。そこには、テレビ画面越しでは伝わらない、お笑い賞レースの純粋すぎる残酷さと美学が存在していた。