海鮮丼のタレにおいて、全体の輪郭を決定づけるのが醤油とみりんの配合比率です。老舗和食店や寿司屋の板前が口を揃えるのは、「刺身の繊細な脂と旨味を邪魔せず、白米との架け橋になる上品な甘みとコク」の重要性です。
基本となる海鮮丼のタレ黄金比は以下の調合が定石とされています。
- 濃口醤油:大さじ3(約45ml)
- 本みりん:大さじ2(約30ml)
- 清酒:大さじ1(約15ml)
- 昆布出汁(または顆粒だしの素微量):大さじ1(約15ml)
この比率(醤油3:みりん2:酒1:出汁1)は、赤身のマグロから脂の乗ったサーモン、淡白な白身魚まで幅広く調和します。甘みをやや強調したい場合や、ブリやカンパチなど脂の強い青魚を合わせる際は、醤油とみりんの比率を「1:1」に近づけると魚の力強い脂を受け止める濃厚なタレに仕上がります。
プロの味を決定づける最大の工程が、本みりんと酒をあらかじめ加熱してアルコール分を飛ばす「煮切りみりん」の技法です。アルコールが残っていると舌に刺激やエグみが残り、刺身本来の甘みを覆い隠してしまいます。小鍋でひと煮立ちさせるか、耐熱容器に入れて電子レンジ(600Wで約40〜50秒)で沸騰させるだけで、驚くほどまろやかな口当たりに変化します。