酒鬼薔薇事件の本は何を語るのか|手記『絶歌』と遺族の告白、現在の全真相

酒鬼薔薇事件の本は何を語るのか|手記『絶歌』と遺族の告白、現在の全真相

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手記出版における最大の問題点は、被害者遺族への事前承諾が一切なかったことです。当時、出版元の見本本と手紙が遺族の手元に届いたのは、店頭に並ぶわずか数日前でした。

殺害された土師淳君(当時11歳)の父親である土師守氏は、即座に手記の回収と絶版を求める抗議声明を発表しました。土師氏は1999年に自身の手記『淳』(新潮社)を上梓し、突如愛する息子を奪われた家族の絶望と、少年法に守られる加害者に対する司法の理不尽さを告発してきました。守氏は「加害者が自らの犯罪を商業出版のネタにし、再び遺族を苦しめることは断じて許されない」と強く断罪しています。

さらに世論の怒りを買ったのが『絶歌』の印税の行方です。累計25万部以上を発行したとされる同書からは数千万円規模の印税が発生したと推計されています。出版元は「印税は被害者への損害賠償に充てる方針」と説明しましたが、遺族側は「息子の命を弄んで得た血塗られた金を受け取る筋合いはない」と受け取りを拒否。アメリカに存在する「犯罪者が自らの犯罪経験を商業化して利益を得ることを禁止する法律(サムの息子法)」が日本に存在しない法の不備が、国会やメディアで大きくクローズアップされる契機となりました。

鈴木 陽菜
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鈴木 陽菜

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