東京・半蔵門の村上開新堂が完全紹介制を敷いている背景には、単なるプレミアム感の演出ではなく、職人による完全手作業の製造体制と品質への徹底したこだわりがあります。
創業は明治7年(1874年)。宮内省大膳職で西洋料理を修めた初代・村上光保氏によって開かれた歴史を持ちます。缶の中に27種類ものクッキーを寸分の狂いもなく敷き詰める作業は、熟練の職人による手作業でしか成し得ません。機械による大量生産を行わないため、1日に焼き上げられる数量には絶対的な限界が存在します。
生産数が限られる中で、長年店舗を支えてきた既存の顧客への供給を最優先に守り、品質を落とさず確実に届けるため、同店は「顧客台帳に登録された方の紹介」という形を現在も守り抜いています。この真摯なものづくり姿勢こそが、150年以上にわたり信頼を失わない最大の理由です。