株式会社などの営利法人だけでなく、非営利法人や特殊法人においても、どの機関が監督権限を持つかは法人格の設計によって厳格に定められています。
まず、一般社団法人・一般財団法人の場合、2008年の公益法人制度改革以降、準則主義が採用されたため、設立自体に特定の行政庁による許認可は不要となりました。日常的な事業活動に対する直接的な監督省庁は原則として存在せず、法務局(登記)や民事裁判所の手続きが規律の中心となります。ただし、公益認定を受けて「公益社団法人・公益財団法人」へ移行した法人については、内閣府の公益認定等委員会または都道府県の合議制機関が厳格な監督官庁となります。
次に、病院やクリニックを開設・運営する医療法人の監督省庁は、厚生労働省および医療法に基づく権限委任を受けた都道府県知事(保健医療主管部局)です。事業計画や資産の変動、役員の変更に至るまで細かな認可・届出が義務付けられており、ガバナンスに対する行政の関与は極めて強固です。
さらに、神社や寺院、教会といった宗教法人の所轄庁は、単一の都道府県内にのみ境内建物を有する場合は「都道府県知事」、複数の都道府県にまたがって活動する法人や包括宗教法人の場合は「文部科学大臣(文化庁)」となります。信教の自由を尊重しつつも、認証事務や財産目録の提出、法令違反時の解散命令請求などの権限を行使する体制が整えられています。