恐怖を感じると、多くの人は無意識に息を大きく吸い込んで息を止めてしまいます。しかし、これは浮遊感を倍増させる最悪の反応です。肺に空気が満ちた状態で息を止めると横隔膜が固定されず、気圧変化と重力変化に内臓が過敏に反応してしまいます。
息を吐き続ける「細く長い呼気法」
落下する瞬間は、「口から細く長く息をフーッと吐き続ける」のが鉄則です。息を吐ききっていくプロセスにおいて横隔膜は自然と引き上がり、腹筋群が収縮して内臓が固定されます。ドロップの頂点に達した瞬間から着地するまで、ろうそくの火を吹き消すようなイメージで息を吐き続けてください。
大声を出して「叫ぶ」メカニズムの真実
「絶叫マシンでは叫んだほうが怖くない」と言われるのには、明確な生理学的根拠があります。大声で「ワーッ」「キャー」と叫ぶ行為は、肺の中の空気を強制的に排出し、腹横筋をはじめとする深層筋肉を瞬間的に強く収縮させる作用を持っています。
また、大声を発声することで脳の扁桃体で生じる恐怖回路の興奮が運動野や発声器官へ分散され、自律神経のパニック状態を和らげる心理的マスキング効果も得られます。恥ずかしがらずに声を出すことは、浮遊感を物理的・神経学的に軽減する非常に合理的な自衛手段です。