なぜ決定的な証拠がないにもかかわらず、芸能スキャンダルの類いは後を絶たないのか。現代の芸能ジャーナリズムを俯瞰すると、SNS上の些細なリアクションや「いいね」の有無、指輪を外した写真一枚からでも無理やりストーリーを仕立て上げるクリックベイトの構造が常態化していることがわかる。
日本の芸能界において、夫婦双方がトップランナーであり続けるケースは稀だ。どちらかが一歩引くのではなく、両者がトップスピードで走り続けるとき、旧態依然とした家族観に囚われたメディアは「家庭内に軋轢が生じているに違いない」という偏見を持ち込みやすい。今回の離婚疑惑も、そうした旧弊な観察眼が生み出した幻影に過ぎない。