最高裁判所の裁判官は、長官1名と判事14名の計15名で構成されています。このトップ人事において最も基本的なポイントは、長官と一般の判事で手続きが憲法上明確に分かれている点です。
日本国憲法第6条第2項の規定により、最高裁判所長官は「内閣の指名」に基づき「天皇が任命」します。これは内閣総理大臣の親任式と同様の格式を持ち、三権の長としての重みを示す儀礼です。一方、14名の最高裁判事については憲法第79条第1項に基づき「内閣が任命」を行い、天皇はその任命を国事行為として認証します。
実質的な人事権はどちらも内閣にあります。司法権の独立を守る一方で、主権者である国民から選挙で選ばれた内閣が選考に関与することで、司法にも間接的な「民主的正統性」を持たせる狙いがあります。最高裁判事の内閣任命権は、三権分立における抑制と均衡(チェック・アンド・バランス)の中核を担う制度設計です。