ユウキがリムルを裏切り、世界を揺るがす陰謀を巡らせた最大の理由は、彼の掲げる「世界征服」という究極の目的にあります。ただし、その動機は単なる私利私欲や独裁欲求ではありません。
ユウキは元の世界(日本)で、理不尽な交通事故によって両親を一度に失うという過酷な過去を背負っています。どれほど正しく生きようとしても、不条理な暴力や運命によって大切なものが一瞬で奪われる――この世界のシステムそのものに対する絶望と怒りが、彼の行動原理の根底に刻まれました。
「理不尽なルールに縛られた世界を一度完全に破壊し、誰もが笑って暮らせる新しい秩序を自らの手で再構築する」。その壮大な野望を叶える手段こそが世界征服でした。ヴェルダナーヴァが遺した不完全な世界構造そのものを否定するユウキにとって、既存の秩序と調和を目指すリムルの存在は、決して相容れない対極の思想だったのです。