なぜ真相解明までにこれほど気の遠くなるような時間を要したのか。その要因の一端は、捜査機関同士の不協和音と管轄の壁にある。当時、現場の初動捜査を担当したラスベガス市警に対し、ロサンゼルス市警察(LAPD)や連邦捜査局(FBI)が保持していた重要情報が十分に共有されていなかった。
当時の刑事捜査は、組織内部の腐敗や証拠品の不自然な紛失といった致命的なトラブルに直面していた。捜査資料の一部が不可解な形で散逸し、最重要参考人の事情聴取が先送りされたプロセスには、明らかな「見えない手」による介入があったと元捜査官は指摘する。この組織的不全こそが、事件を迷宮入りさせた最大の要因だった。