足を踏み入れた者を方向感覚の麻痺へと誘う店内。ドン・キホーテの代名詞である圧縮陳列は、この歌舞伎町店において極限の領域に達している。整然とした陳列棚などここにはない。天井スレスレまで吊り下げられたパーティーグッズ、棚から溢れ出しそうなスキンケア用品、乱雑に見えて計算され尽くした手書きPOPの数々。
「探す楽しさ」などという生易しい言葉では足りない。視界の端から端まで情報が乱反射し、脳が強制的に覚醒させられる。歩いているだけで、自分が何を買いに来たのか忘れてしまう。そして気づけば、買う予定のまったくなかった輸入スナックや謎の美容ローラーをカゴに入れている。この計算された過剰さこそ、効率を至上命題とする現代社会に対する強烈なアンチテーゼなのかもしれない。