沿岸を歩くと、足元でシャリシャリと鳴る心地よい砂の音とともに、広大な松林が視界を埋め尽くす。ここは指定自然公園である玄海国定公園の一角を占め、長年にわたり厳しい外海の風雨から内陸を守ってきた天然の要塞でもある。なかでも風によって作り出された風紋が美しい「奈多砂丘」は、国内でも有数の風致景観を保つ貴重な砂丘地帯だ。
潮風に揺れる青々とした松の木々と、まぶしいほど純白の海岸線。この対比が生み出す白砂青松の造形美は、写真家やハイカーたちを魅了し続けている。時間帯によって全く異なる表情を見せるのも魅力で、とりわけ夕刻、水平線へと沈みゆく太陽が海面と砂丘をオレンジ色に染め上げる瞬間は、言葉を失うほどの静寂と神聖さに包まれる。