大胸筋鎖骨部の筋繊維は、鎖骨の内側半分から上腕骨の外側に向かって斜め下へと走行しています。この筋繊維の走行方向に沿って的確に負荷を乗せるためには、ミリ単位の軌道コントロールが求められます。
まず押さえるべきは手幅とグリップです。バーを下ろした最下点(ボトムポジション)において、前腕が床に対して垂直になる手幅(フラットベンチより指1〜2本分狭め)を選択します。手首は過度に反らさず、掌の親指の付け根付近(母指球側の手根部)に乗せて垂直に支える「サムアラウンドグリップ」で握り込みます。
次に重要なのがバーベルの軌道と下ろす位置です。みぞおち付近へ下ろすフラットベンチプレスとは異なり、インクラインでは「鎖骨の指2本分下」から「乳頭のやや上」のラインに向けてバーを垂直に下ろします。このとき、脇の開き角は胴体に対して約60〜75度をキープし、肘が肩の真横に張らないよう注意深くコントロールしてください。