大相撲の日本相撲協会において、親方の定年は満65歳と厳格に定められています。1960年7月6日生まれの伊勢ヶ濱親方(元横綱旭富士)は、協会規程に基づき師匠としての重責に一区切りをつけるタイミングを迎えています。
ネット上や一部ファンの間では「親方を完全に引退して相撲界を去るのか」という懸念の声も上がっていましたが、日本相撲協会には2014年に導入された「シニア再雇用制度」が存在します。この制度を利用すれば、最長70歳まで「参与」という職階で協会に嘱託として籍を残すことが可能です。公式発表資料や近年の前例に照らし合わせても、伊勢ヶ濱親方が参与として後進の指導や協会員業務を支える体制をとる公算が極めて高いと見られています。
ただし、再雇用制度における参与は「相撲部屋の師匠(代表者)」を務めることができません。つまり、本名・杉野森正也氏が長年守り育ててきた伊勢ヶ濱部屋の看板は、必ず別の親方に引き継がれなければならない規則となっています。これこそが、いま角界で「部屋継承」と「名跡変更」の行方がかつてないほど耳目を集めている根本的な理由です。