覚醒の引き金となったのは、徹底した肉体改造とメカニクスの根本的な見直しにある。オフシーズン、彼は徹底的なウエイトトレーニングと可動域の拡張に着手した。単に体重を増やすのではなく、体幹部の回旋スピードを最大化するためのインナーマッスル強化に時間を割いた。結果として、下半身のパワーをロスなくバットへと伝える強靭なフィジカルが完成した。
同時に着手したのが、バット軌道の最適化だ。従来の大きなテイクバックを微修正し、トップの位置を安定させることで、インコースの厳しい球に対しても最短距離でヘッドが出るようになった。ヘッドスピードを落とさずにコンタクトゾーンを長く保つ技術を体得したことで、泳がされた球でもスタンドまで運ぶ驚異的なパワーロスゼロのスイングを手に入れたのである。「兄のフォームを真似るのをやめ、自分の骨格と筋肉に最も適した軌道を見つけた」と関係者が明かす通り、その打撃フォームは完全にオリジナルへと昇華されている。