大学卒業後、若き日の安倍が向かったのはアメリカ合衆国だった。この海外経験を巡っては、過去にメディアで様々な報道が飛び交い、実態について議論が交わされた経緯がある。
一次資料と当時の学籍記録をたどると、彼はまず英語習得のためにカリフォルニア州立大学ヘイワード校の英語研修コースに通った後、ロサンゼルスにある名門・南カリフォルニア大学(USC)へと進学した。ここで安倍は国際関係論や政治学などの科目を履修している。
一部で「学位取得」に関する誤認や過剰な言説が取り沙汰された時期もあったが、実際には客員生・特別聴講生としての留学プログラムであった。学位(ディグリー)の取得こそ目的ではなかったものの、多民族国家アメリカのダイナミズムと過酷な学問的環境に身を置いた経験は、後の外交路線に決定的な影響を与えたと本人は述懐している。