かつて夕方の時間帯、車を運転するドライバーや家事をする主婦の耳を独占していたのは、間違いなく彼の声だった。しかし、メディアを取り巻く環境は激変した。若者のラジオ離れ、スポンサー収入の低迷。既存の地方局が防戦一方となる中、彼が選んだのは独立型の音声配信プラットフォームだった。
「もう一度、検閲のない、本音のトークを届けたい」。関係者によると、新番組は生放送の一発勝負。編集でカットされないスリリングな掛け合いが、かつてのリスナーだけでなく、タイパを重視する現代の若者にも新鮮に響いているという。スマートフォンの画面越しに流れるその声は、かつてと変わらない鋭さと、時代を捉える柔軟性を兼ね備えている。