1988年、この物語はスクリーンへと飛び火し、社会現象へと昇華する。稀代のプロデューサー角川春樹が指揮を執り、ヒロイン・中山ひとみ役に抜擢されたのが、当時まだ無名に近かった宮沢りえだった。彼女の圧倒的な透明感と意志の強さを秘めた眼差しは、映像メディアを通じて作品の反逆精神を強烈に視覚化した。
自衛隊の戦車を調達して大人たちに対峙するクライマックスをはじめ、映画版の大胆な演出とメディアミックス戦略は、当時の日本映画におけるジュブナイル作品の基準を一気に引き上げた。劇場に詰めかけた少年少女たちは、スクリーンの中に自分たちの「代弁者」を見出し、映画のヒットは原作小説を国民的ベストセラーへと押し上げる決定打となった。