183センチ・88キロと、メジャーの本格派先発投手としては決して大柄ではなかったベンチュラ。その細身の身体のしなりから放たれるストレートは、打者の手元で唸りを上げました。計測された最速球速は102mph(約164.2km/h)に達し、常時98マイル前後のシンカーと鋭いカーブのコンビネーションはメジャー屈指の破壊力を誇りました。
2013年9月にメジャー昇格を果たすと、翌2014年には先発ローテーションに定着して14勝をマーク。この年のポストシーズン中、親友であり同じドミニカ出身の有望株だったカージナルスのオスカー・タベラスが交通事故で急逝するという悲劇に見舞われます。ベンチュラは帽子にタベラスを追悼する手書きのメッセージ「RIP O.T #18」を書き込み、背水の陣で迎えたジャイアンツとのワールドシリーズ第6戦に登板。7回無失点の気迫の投球でチームを勝利に導いた姿は、全米のファンの魂を揺さぶりました。
そして2015年、ロイヤルズは30年ぶりとなるワールドシリーズ制覇を成し遂げます。レギュラーシーズンで13勝を挙げたベンチュラは、荒削りながらも相手打線を力でねじ伏せ、カンザスシティの街に歓喜をもたらしました。通算わずか3年余りの実質的な稼働期間ながら、彼が記録した通算38勝という数字以上に、その躍動感あふれるマウンド姿は強烈なインパクトを残しました。