この機構のポテンシャルをいち早く見抜き、スポーツカーの金字塔へと昇華させたのがフェルディナント・ポルシェである。空冷時代から続くフラットシリンダーの設計思想は、現代のポルシェAGが誇るフラッグシップにも息づいており、レーストラックで鍛え上げられた信頼性は今や伝説と化している。
一方、日本においてこの構造を量産乗用車の心臓部として根付かせた第一人者が、元富士重工業の天才エンジニア百瀬晋六だ。「スバル1000」の開発において、理想的なFF駆動と低振動を追求した結果として選ばれたこのレイアウトは、現在の株式会社SUBARUが掲げる「シンメトリカルAWD」の核となり、ブランドのアイデンティティそのものとなった。