尾田栄一郎先生が描くキャラクターの多くには実在の海賊モデルが存在しますが、王直の元ネタは明代(16世紀)の東アジア海域で猛威を振るった中国の大海賊「汪直(王直)」です。
歴史上の王直は、日本の戦国時代において種子島へ鉄砲伝来をもたらした船の主導者としても知られ、平戸や五島列島を拠点に大規模な密貿易ネットワークを構築、「五峰船主」や「徽王」と自称して倭寇勢力を束ねた大商人兼海賊首領でした。
『ONE PIECE』の王直が「海賊島ハチノス」という海賊たちの楽園をまとめ上げ、一大拠点を築いていた設定は、まさに歴史上の汪直が日本の港町を国際自由貿易港に仕立て上げた史実のオマージュと言えます。単なる暴力装置ではなく、狡猾な統率力と莫大な財力を兼ね備えた支配者であったことが伺えます。