蚊が血液型を「識別している」かのように見える現象について、昆虫学者の間では「血液型抗原が皮膚表面に分泌される量の違い」が鍵を握ると考えられている。O型の人はA型やB型の人と比べてH抗原と呼ばれる糖鎖構造が皮膚表面に多く分泌される傾向があり、このH抗原が蚊の着地行動を誘発するのではないかという仮説だ。これは「蚊 血液型 好み 研究」の領域で最も有力な説明のひとつである。
しかしここで見落としてはいけないのが、血液型以上に影響力の大きい要因の存在である。具体的には以下の3点が蚊の誘引に深く関わっている。
- 二酸化炭素の排出量——蚊は50メートル以上離れた場所からでも二酸化炭素の濃度勾配を感知して接近する。体格の大きい人や運動直後の人、妊娠中の人は排出量が多く、刺されやすさに直結する。
- 体温と皮膚表面温度——体温の高い人、代謝が活発な人は蚊の感知器官に強く反応される。
- 汗や皮膚常在菌の構成——汗に含まれる乳酸・アンモニア・尿酸、そして皮膚表面の常在菌が作り出す代謝産物が、蚊を引き寄せる「匂い」を形成する。これは「蚊 汗 匂い 血液型」という複合的な観点から語られるべきテーマだ。
つまり、仮にO型であっても、二酸化炭素排出量が少なく、皮膚常在菌のバランスが蚊を寄せ付けない状態であれば、A型で代謝の高い人よりも刺されにくいケースは十分にあり得る。血液型は「蚊に刺されやすさの一要素に過ぎない」というのが、現時点での科学的な見解である。