このムーブメントは都市部にとどまらず、地方創生の領域にも波及している。長野の深山や九州の離島などでは、デジタル機器から完全に離れて滞在する「自然没入型リトリート」が人気を博している。参加者の多くは、日々情報空間で激務をこなす都市部の経営者やエンジニアだ。
スマートフォンの電源を切り、鳥の声や風の音、土の匂いに身を委ねる。液晶画面という平面世界から解放され、立体的で生々しい自然環境の中に身を置くことで、麻痺していた感覚器が次々と目覚めていく。「数年ぶりにぐっすりと眠れた」「頭の雑音が消え、本当にやりたいことが見えた」といった感想が相次ぐ。地方の豊かな自然資源が、現代人の壊れかけた集中力を回復させる「インフラ」として再評価されている。