インターネット上で「そして誰もいなくなった 映画」「そして誰もいなくなった ドラマ」と検索する際、非常に多くのユーザーが陥る典型的な誤解が存在します。それが、2016年に日本テレビ系で放送された藤原竜也主演のドラマ『そして、誰もいなくなった』との混同です。
日本テレビ版(藤原竜也、玉山鉄二、伊野尾慧、黒木瞳ら出演)は、主人公のシステム開発研究員・藤堂新一が、突如として同姓同名の別人に個人情報を乗っ取られ、自らの存在証明を奪われていくサイバーサスペンスです。この作品はタイトルこそクリスティの小説を模しているものの、アガサ・クリスティの原作とは一切関係のない完全オリジナル脚本です。孤島での連続殺人を期待して視聴すると全く別の物語が展開するため、明確な区別が必要です。
クリスティの原作に基づいた日本語の映像化作品を観賞したい場合は、前述した2017年のテレビ朝日系二夜連続ドラマスペシャル『そして誰もいなくなった』を指定して探す必要があります。この「日テレ版(2016)」と「テレ朝版(2017)」の混同は、配信サービス内のキーワード検索でも頻繁に発生しているため、作品詳細や出演キャストを必ず確認してください。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
ここまで検証してきた事実を踏まえ、鑑賞者の志向に応じた最適な選択基準を提示します。
▼ 2015年BBCドラマ版を選ぶべき人
- 原作小説の冷徹な世界観と、10人全員が追い詰められていく心理描写をノーカットで体感したい人
- 映画的リアリズムと、重厚な英国クラシックの映像美を最優先したい人
- 後味の悪さや精神的な衝撃を含めて、極上のミステリー体験として受け止められる人
▼ 1945年映画版(ルネ・クレール監督)を選ぶべき人
- クラシック映画黄金期の洗練された会話劇や、無駄のないサスペンス演出を楽しみたい人
- 全滅エンドによる過度な鬱展開を避け、知的な謎解き劇として爽快に楽しみたい人
- 映画史の基礎教養として、密室ミステリーの原型となった記念碑的映像を確認したい人
▼ 鑑賞に慎重になるべき人の条件
- 「人間が疑心暗鬼に駆られて自滅していく陰惨な心理描写」が苦手な人は、BBC版を避けて1945年映画版から入るのが無難です。
- 逆に「原作に書かれていない恋愛要素やハッピーエンドへの改変は許せない」という本格ミステリー原理主義者の場合、1945年版や1974年版のラストシーンには強い不満を抱くリスクがあるため、最初からBBC版または原作小説に直行することを推奨します。