発作はある日突然、前触れなく襲いかかる。冷や汗、手足の震え、激しい過呼吸、そして「このまま死んでしまうのではないか」という圧倒的な予期不安。中川家剛はかつて、新幹線のドアが閉まる瞬間に全身の血の気が引くような感覚に襲われ、途中下車を繰り返したと述懐している。
パニック障害の厄介な点は、身体の精密検査を行っても器質的な異常が一切見つからないことにある。心電図も血液検査も「異常なし」。それゆえに当事者は「自分が甘えているだけではないか」と自責の念に駆られ、孤立を深めていく。多忙を極める芸能活動の中で、睡眠不足や慢性的なストレスが引き金となり、自律神経のバランスが音を立てて崩れ去る瞬間が潜んでいる。