この独特な生き物が西洋の科学界に衝撃を与えたのは19世紀初頭のことだ。ドイツの偉大な探検家であり博物学者であるアレクサンダー・フォン・フンボルトは、メキシコ遠征の際にこの珍しい水生生物を発見し、標本をヨーロッパへと持ち帰った。当時の自然科学者たちは、幼生の姿(エラを生やした状態)のまま成熟して繁殖するというその異常な生態に驚愕した。
フランス比較解剖学の父と称されるジョルジュ・キュヴィエもまた、この生体の分類と生理構造の解明に深く情熱を注いだ一人だ。幼体成熟(ネオテニー)と呼ばれるこの奇跡的な生態は、進化生物学の議論を大いに活性化させ、その後のヨーロッパにおける人工飼育や繁殖技術の基礎を築くこととなった。