近年、タナカカツキ氏の『サ道』が火をつけたサウナブームと、小山薫堂氏が提唱する日常を芸術へと昇華させる『湯道』の精神。この二つの潮流が見事な調和を見せているのが、リニューアルされたサウナエリアだ。テレビ東京系列でのドラマ化やTVerでの配信によって、温浴カルチャーは世代や地域を超えて爆発的に浸透した。その文脈を深く理解した設計が、ここにはある。
サウナ室の壁面には調湿作用に優れた良質な銘木が贅沢に使用され、熱源には輻射熱を柔らかく伝える特注ストーブを採用。適度な湿度を保ちながら88度から92度の心地よい中高温をキープする設計は、息苦しさを一切感じさせない。静寂を重んじたBGMレスの空間は、己の内面と静かに向き合う禅の道場を思わせる。サウナを出て数歩で到達する地下水掛け流しの水風呂は水温16度前後。絶妙な冷たさが毛穴を引き締め、外気を取り込んだ休憩スペースに腰掛ければ、深いディープリラックスの境地が訪れる。