和歌山県の空を理解するうえで避けて通れないのが、紀伊山地という巨大な屏風(びょうぶ)の存在だ。北部の和歌山市周辺は瀬戸内海式気候に近く、年間を通じて比較的雨が少なく穏やか。一方で、南部や東部の大台ヶ原に近いエリアは、日本でも有数の多雨地帯として知られる。
南からの暖かく湿った空気が紀伊山地にぶつかることで激しい上昇気流が生まれ、あっという間に発達した積乱雲が形成される。午前中がどんなに澄み切った青空であっても、午後の山沿いでは激しい夕立や局地的な雷雨に見舞われることが珍しくない。「さっきまで晴れていたのに」という声が現地で頻繁に聞かれるのは、この地理的要因によるものだ。