1935年に東京で生まれた彼女は、幼少期から踊りの名手として頭角を現していた。その立ち居振る舞いの美しさが映画関係者の目に留まり、映画界へと足を踏み入れるのに時間はかからなかった。デビュー直後から、単なるアイドル的女優にとどまらない内面の強さを秘めた演技で注目を集める。
昭和という激動の時代、映画が庶民の最大の娯楽であった頃、彼女は毎年のように話題作へ出演を重ねた。華やかな脚光を浴びる一方で、過密な撮影スケジュールとスタジオシステム特有のプレッシャーにも晒され続けた。しかし、どんな過酷な現場であっても彼女は愚痴一つこぼさず、カメラの前では常に完璧な演技を披露したという。
私生活では、時代劇の大スター・市川雷蔵との結婚によって人生の大きな転換期を迎える。絶頂期での引退はファンに深い惜切の念を残したが、彼女自身は家庭に入り、早世した夫の遺志と子供たちを守り抜く道を選んだ。その波乱に満ちながらも筋の通った生き様こそ、彼女が今なお多くの人に愛される理由だろう。