50s・60sヴィンテージを特定するうえで、最も信頼性の高い手がかりとなるのが首元のブランドタグと象徴的なディテールです。
スウェット界の頂点に君臨するチャンピオンにおいて、50年代から60年代を象徴するのが通称「チャンピオン ランタグ(ランナーズタグ)」です。走るランナーの姿が刺繍やプリントで施されたタグは、時代によってグラフィックが細かく変化します。50年代前半の「デカランタグ」から、50年代中期の「小文字表記タグ」、そして60年代の「C中ランタグ」へと変遷を辿り、タグのコンディションが残っている個体はそれだけで鑑定価値が跳ね上がります。
首元の伸縮性を補強するために設計された「ガゼット(汗止め)」の仕様も、年代判別ディテールの決定打となります。とりわけ50年代以前に見られる「前V はめ込みガゼット」は垂涎の的です。ボディの生地をV字型にくり抜き、独立したリブ生地をはめ込んで縫製する手法で、非常に手間がかかるため60年代以降は上から生地を縫い付ける「貼り付けガゼット」へと移行していきました。
胴回りに縫い目のない「丸胴仕様」や、手首や裾をしっかりとホールドするために長く編み立てられた「リブ長」の形状も、旧式吊り編み機でゆっくりと時間をかけて編まれていた時代の証拠です。