高校野球ファンならずともその名を知る県岐商野球部。甲子園の通算出場回数は春夏合わせて50回を超え、春3回、夏1回の全国制覇を成し遂げた輝かしい歴史を持っています。公立高校が全国の私立強豪校と互角以上に渡り合い続ける背景には、単なる精神論ではなく、長年受け継がれてきた科学的なトレーニングと組織的な選手育成システムが存在します。
同校出身のプロ野球選手には、中日ドラゴンズで活躍し殿堂入りを果たした伝説的名手・高木守道氏をはじめ、アテネ五輪日本代表主将を務めた鍛治舎巧氏、広島東洋カープの正捕手として活躍した石原慶幸氏、ドラフト1位でプロ入りを果たした髙橋純平投手など、日本球界の歴史に名を刻む逸材がずらりと並びます。監督やOBがメディアの取材に対して「伝統とは守るものではなく、日々の練習で更新していくもの」と語る通り、時代に合わせたデータ分析やフィジカル強化をいち早く導入してきた柔軟性こそが強さの原動力です。
県内外から志の高い球児が集う同部ですが、学校生活においては一般生徒と同様に厳格な学業基準が課されます。「グラウンドでの礼節と教室での集中力は直結している」という徹底した指導方針が、勝負どころでの高い集中力とチームワークを生み出しています。