似ているようで全く異なる二つの調味料。その最大の分岐点は「主原料」と「味の構造」にある。韓国料理の基盤を支えるコチジャンは、もち米や米粉に唐辛子、もち米麹、大豆発酵調味料、そして水飴などの糖分を加えて熟成させる。口に含んだ瞬間に広がる濃厚な甘みとコク、その後にじわじわと追いかけてくるマイルドな辛味が特徴だ。
対する豆板醤は、四川省をはじめとする本格中華料理に欠かせない刺激の要である。こちらはそら豆を主原料とし、塩や唐辛子とともに長期間発酵・熟成させて作られる。砂糖などの甘味料は基本的に用いられない。塩気が強く、シャープで直球の辛さと、そら豆独自のアミノ酸由来の深い旨味が前面に出る設計となっている。