専門家による犯罪心理学の観点からも、白石の心理構造はきわめて特異でありながら、現代社会の病理を色濃く反映していると指摘される。相手の孤独や死への願望につけ込み、巧みな言葉で信頼を得る手法。それはSNSという匿名の空間が生み出した、現代特有の捕食者像そのものだった。
彼がみせた異常なまでの共感性の欠如と自己中心性は、裁判でも争点となった。しかし、司法判断は彼の完全な責任能力を認めた。精神鑑定を担当した専門家たちも、彼の行動がいかに計画的であり、冷酷な損得勘定に基づいていたかを強調する。ネットの暗部と人間の脆弱性が交差した地点で起きた悪夢は、心理学の領域でも研究対象となり続けている。