ソチの氷上で日本中に希望を与えたふたりだったが、翌年、フィギュア界に激震が走る。電撃的なペア解消の発表だった。当時、公式発表では「方向性の違い」と簡潔に説明されたが、その決断の裏には想像を超える苦悩が存在していた。
関係者が明かす真相は、技術的アプローチの壁と互いの身体的負荷にあった。ペア転向間もない木原にとって、スローリフトやツイストジャンプといった大技は常に怪我と隣り合わせ。一方、世界トップレベルの感覚を持つ高橋との間には、練習を重ねるごとに微妙な歯車のズレが生じていた。妥協を許さないプロ意識ゆえの衝突。お互いの将来と可能性を真剣に考え抜いた結果、選んだのが「別々の道」だった。不協和音ではなく、互いのスケート人生を尊重し合ったからこその前向きな決断であったことが、時を経て明かされている。