治安を分析する上で最も厳格に区別すべきなのは、定住・長期滞在者による犯罪と、短期間の滞在を目的とした来日外国人犯罪だ。
観光や短期商用ビザを悪用して入国し、高級時計店への強盗やATM不正引き出し、貴金属の密輸などを電光石火で実行して出国する国際組織犯罪は、国内の治安情勢に深刻な爪痕を残す。彼らは国内社会に生活基盤を持たないため、犯行の抑止が極めて効きにくい。
一方で、日本に家族を持ち、地域社会で暮らす中長期在留者の多くは、日本の法秩序に従って平穏な生活を送っている。短期滞在のヒット・アンド・アウェイ型犯罪と、地域に暮らす外国人住民の生活摩擦を混同することは、国境警備の水際対策と地域コミュニティ政策の双方を誤らせる原因となる。