SNSの普及以降、聖地巡礼や観光に訪れる人々の間で最も頻発しているトラブルであり、ネット上で誤解されがちなのが「舟屋の敷地への立ち入り問題」です。写真映えを求めるあまり、「舟屋はオープンな観光施設である」と勘違いして私有地に入り込んでしまうケースが後を絶ちません。
この点について、地域の観光協会や地元関係者は一貫して注意喚起を行っています。伊根の舟屋の約9割は、一般の住民が暮らす私有財産であり、漁業従事者の作業場です。道路から海側へ通り抜ける小道や、舟屋の軒先、桟橋などはすべて個人の敷地にあたります。
『ええにょぼ』という作品の神髄は、まさにそうした地域住民の生身の生活にヒロインが飛び込み、信頼を勝ち得ていく過程にありました。敷地外の公道や遊覧船・海上タクシーの上から静かに見守るのが、この地を訪れる旅人としての最低限のエチケットです。「中を見学したい」という場合は、一般開放されている「伊根町指定文化財・旧尾崎家住宅」や、宿泊者・カフェ利用者として正式に受け入れを行っている施設を選択するのが鉄則です。