大物馬主の逝去に伴い、大きな関心を集めたのが「莫大な競走馬資産と本業の事業承継」の行方でした。近藤氏が手元に残した多数の現役競走馬や繁殖牝馬、種牡馬シンジケートの権利といった資産は、妻である近藤旬子(こんどう・じゅんこ)氏が正式に相続し、馬主資格を取得して後継者となりました。
競走馬の所有名義は近藤利一氏から近藤旬子氏へと順次切り替えられましたが、競馬ファンにとって嬉しい決断となったのが、夫が愛し抜いた「水色、白玉霰、袖赤一本輪」の勝負服をそのまま引き継いだ点です。トレードマークのカラーが競馬場から消えることなく存続したことは、サークル内外で大きな安堵と称賛を呼びました。
なお、競馬界にはもうひとり「近藤」姓の有力馬主として知られる近藤英子(こんどう・ひでこ)氏が存在します。利一氏の前妻である英子氏は、自らの名義で8歳にしてG1・2連勝を飾った名馬カンパニーや、エリザベス女王杯連覇のアドマイヤグルーヴなどを所有した名オーナーです。利一氏と英子氏は婚姻解消後も同じ馬産地やレースで競い合う独自の関係性を築いており、近藤ファミリーが日本競馬の血統発展に果たした貢献度は計り知れません。