大倉山公園の緑に抱かれた神戸市立中央図書館は、まさに知の総本山だ。館内に足を踏み入れると、紙とインクが醸し出す重厚な香りが漂う。ここは阪神間の豊かな文学的土壌をいまに伝える貴重な資料の宝庫でもある。
とりわけ少年時代を阪神間で過ごした作家・村上春樹氏に関連する資料や文学誌のバックナンバー、さらには開港以来の歴史を記録した地域情報アーカイブの充実ぶりは目を見張るものがある。震災復興の記録や古地図、ローカル誌のバックナンバーまで、この土地が歩んだ記憶の層を深く掘り下げる探訪は、知的な好奇心をどこまでも満たしてくれる。