10進法が「両手の指の数」から生まれたのに対し、12進法は「片手の指の関節」から生み出された。親指を除いた4本の指には、それぞれ3つの関節がある。親指の先でこれらの関節を順に叩いていくと、片手だけで「12」まで正確に数え上げることができる。
もう片方の手の指を立てれば、12×5=60まで容易に計算可能だ。古代メソポタミアやシュメール文明が60進法や12進法を発達させた背景には、この優れた身体的計算機能が存在する。
天文学的な要請も大きかった。1年は太陽と月の運行によって約12回の満ち欠けを繰り返す。黄道十二星座や1日を昼夜それぞれ12時間に分割する単位系は、すべてこの12という基数に起因している。