プロが現場で使用する道具には、その作家の哲学が色濃く反映されます。柴田翔平の使用機材に関する業界関係者の情報やインタビュー証言を総合すると、機材選定においても極めて明確な意図が存在します。
メインシステムには、解像力とダイナミックレンジに優れたフルサイズミラーレス一眼を採用。特にシャドウ部の階調保持能力と高感度耐性を重視したボディ選びがなされています。一方で、レンズに関しては最新のシャープすぎるレンズだけでなく、あえてオールドレンズのような柔らかな収差やフレアを残す大口径単焦点レンズ(35mm、50mm、85mm付近のF1.2〜F1.4クラス)を好んで使用。
撮影後のRAW現像プロセスにおいても、カラーホイールの綿密な調整によってハイライトにわずかな温かみを乗せ、シャドウを深く沈めすぎない「呼吸する黒」を作り出しています。この徹底した機材と現像の掛け合わせが、見る者に懐かしさと洗練を同時に感じさせる秘訣です。