敷金と礼金の最大の違いは「返還される性質があるかどうか」の一点に集約される。結論から言えば、敷金は「預け金」であり、礼金は「対価性のない謝礼金(贈与)」だ。
敷金は、家賃の滞納や入居者の過失による部屋の破損に備えて、貸主(オーナー)にあらかじめ預けておく担保金である。そのため、家賃の支払いに滞りがなく、通常の使用範囲で部屋を使っていれば、退去時に原状回復費用を差し引いた残額が借り手に返金される仕組みだ。一方の礼金は、戦後の住宅難の時代に「部屋を貸してくれてありがとう」という謝礼の意味で始まった商習慣であり、契約が終了しても1円たりとも戻ってこない。文字通り「払って終わり」の費用である。