静寂に包まれた池の表面からは想像もつかないが、水底からは絶え間なく圧倒的な水量が湧き続けている。その量は毎秒約186リットル。1日に換算するとおよそ1万6000トンにおよぶ。
どれほど厳しい日照りが続こうとも、この湧水が途絶えたことは歴史上一度もない。近隣の農地を潤す水路へと惜しみなく流れ出る水は、地域の農業や人々の暮らしそのものを長年支えてきた。水深約4メートルの水底に沈む小石や倒木が、手の届く場所にあるかのようにくっきりと透けて見える光景は、自然が持つ強力な浄化作用の凄みを無言で物語っている。