今年の目玉として事前の話題を独占していたのが、数千台の精密ドローンによる空中ライトショーと、超大型の尺玉花火とのハイブリッド演出だ。漆黒の夜空に浮かび上がる光の立体アートが変幻自在に形を変えた直後、その中心を射抜くように大玉花火が炸裂する。ハイテクと職人技の競演に、会場からは雷鳴のような拍手が巻き起こった。
だが、真の主役はやはり地元の職人が手塩にかけて仕込んだ「割物」花火だ。綺麗に真円を描いて広がる火線の美しさ、色相が七色に変化する「変化菊」の可憐さ。古くから受け継がれた火薬の配合レシピと湿度の微調整が生み出す職人技は、デジタル時代においても色あせるどころか、よりいっそうの輝きを放っている。