杵築の街並みを語る上で欠かせないのが、全国で唯一と言われる「サンドイッチ型城下町」の構造だ。南北の台地に武家屋敷群が位置し、その中央の谷間に商人の町家が挟まれるように形成された立体的な都市レイアウト。坂の上からは向かい側の台地に建つ屋敷が一望でき、視線が交差するような独特の立体的美観を生み出している。
この独特な城下町の礎を築いたのは、江戸時代初期に杵築藩初代藩主となった松平英親だ。松平氏の治世下で街の防衛と経済の両立が図られ、武士と町人がそれぞれの領域を守りながら共生する都市計画が完成した。北台の石垣や重厚な長屋門を歩けば、領民の暮らしと藩主の英知が刻まれた歴史の深度を肌で感じることができる。