恋愛関連の記念日といえば、2月14日のバレンタインデーや3月14日のホワイトデーが広く知られています。しかし、そこからさらに時を進めた5月13日に設定されているのが「メイストームデー(5月の嵐の日)」です。恋人同士が別れ話を切り出すのに適した日、あるいは別れを告げるべき日という、何とも不穏な意味合いが与えられています。
この記念日が生まれた背景には、季節の移ろいを示す伝統的な知恵と、バレンタインデーからの経過日数が深く関係しています。立春から数えて88日目にあたる「八十八夜」の時期には、突然の気象の荒れや遅霜(別れ霜)が発生しやすく、これが農作物に被害を与えることが古くから警戒されてきました。さらに、2月14日のバレンタインデーからちょうど88日目にあたるのが、この5月13日です。「八十八夜の別れ霜」という言葉の語呂合わせと、春に吹き荒れる温帯低気圧「メイストーム」の激しさが重ね合わされ、カップルに嵐が吹き荒れる日として俗称化しました。
単なる語呂合わせと片付けられない現実的な心理背景も見逃せません。新年度がスタートする4月、進学や就職、異動などによって生活環境が一変します。張り詰めていた緊張の糸がゴールデンウィークの連休で解けた直後の5月中旬は、いわゆる「五月病」と呼ばれる無気力感やメンタルの不調が最も顕著に表れるタイミングです。互いの生活リズムのズレやすれ違いが限界点に達し、感情の歪みが表面化しやすい季節的要因が、メイストームデーという俗説を強固に後押ししています。