地震時の防災対策において、縦揺れと横揺れでは家具に与える破壊力が根本的に異なる。瞬間的な突き上げ(縦揺れ)は家具を浮かすが、持続的な左右の動きは「歩行運動」のように大型家具を壁面からジワジワと引き離し、最終的に室内の中央へ倒れ込ませる。
専門家が推奨するのは、L字金具による壁面固定に加え、家具の底部前側にわずかな傾斜板を挟み込む「後傾固定」だ。重心を意図的に壁側に寄せることで、左右の往復運動が起きても前方向への転倒モーメントを大幅に減少させることができる。高層階に住む住民にとって、これは命を守る最低限のセーフティラインと言える。