SNSやネット掲示板では、「走れメロス」の話題になるたびに「実は大半を歩いていた」「友の命がかかっているのに途中で熟睡する男」といったツッコミが投稿され、定番のネットミームとして楽しまれています。
しかし、単なる面白ネタとして終わらないのがこの作品の深みです。ネット上では「前半歩いていたからこそ、最後の時速20kmオーバーの異常さが際立つ」「完璧なヒーローではなく、一度絶望して諦めかけた生々しい人間味がある」といった再評価の声も多く見られます。
読者の共感を呼ぶのは、メロスが決して無敵のサイボーグではなく、激流に怯え、疲労に負けて倒れ、親友を裏切りそうになる弱さを持った生身の人間だからこそです。科学的なデータによって「最初は遅く、最後だけ凄まじく速い」という極端なスピードのギャップが可視化されたことで、かえって作品のドラマ性が浮き彫りになっています。